こちらでは、「いちたりない」を読む上で覚えておくと物語がわかりやすくなる
背景や用語がまとまっています。
あれ？これってどういうことだっけ？と思ったらこちらをご覧ください。
大金持家
世界の長者番付にも名を連ねる大富豪、『大金持 轟（おおがねもち とどろき)』率いる財閥一家。
いちたりないの主人公、大金持幸子はこの一家の一人娘。
ゆくゆくは何かしらの重要ポストに収まるであろう彼女を狙い、多くの悪党たちが日夜暗躍している。
多数のグループ企業を運営しており、日本国内だけでもその影響力は計り知れない。
しかし、その華々しい功績とは裏腹に、大金持グループと競合した企業はすぐ潰される、
多額の裏金工作が、果ては大金持家にはもう一人娘が居て……など、様々な黒い噂が絶えない。
治安
いちたりない世界の文明レベルは基本的に現代と変わらないが、
治安に関しては、現代のそれと比べて多少、いやかなり悪い。
一応非合法ではあるものの、ほぼ公然と殺し屋やマフィアなどの裏社会の存在が活動している。
クラスのあの子がある日突然何者かに攫われたらしい、
最近見ないあいつ、今はヤクザの末端組織の使い走りになってるらしい……なんてことが平気で起こる。
都市部から離れるほど治安は悪化していく。
公的な警察機関だけでは善良な人々の安全を守りきれないため、
多少の条件や資格は必要になるが、民間の警備員にも一般に警察が行うような治安維持行為が認められている。
タスクはそんな危険ないちたりない世界で、幸子を悪い虫から護り抜くために雇われたボディーガードである。
ディスポーザー・ファミリー
いちたりない世界に多数存在する裏社会の組織の一つ、マフィア「ディスポーザー・ファミリー」。
世界各地に支部を持ち、主に麻薬の密造・販売などで多くの金を稼いでいる。
組織の規模が大きいため、構成員の実力は玉石混交だが、幹部クラスともなると精鋭ぞろい。
とくに『掃除人』と呼ばれる幹部は、小規模な犯罪集団ぐらいなら一人で潰せるとか潰せないとか。
冷酷で強欲なボスはさらなる勢力の拡大を目論み、大金持家に目をつけた。
『大金持家のもう一人』は実在するとの確信を持ち、そこそこの戦力を投入して獲得を企んでいる……。
『大金持家のもう一人』
大金持家には、大金持幸子のほかにもう一人娘が居る。
数年前から各所まことしやかに囁かれている噂で、というのも、
大金持家にはもともと双子の姉の幸子と、妹の「一（はじめ）」の二人の娘がいたのだが、
6歳の頃に妹の一が原因不明で突然死した……ということになっている。
しかし、詳しい死の経緯が明かされていないほか、墓の所在などもわからないなど、
不可解な点が多いため、実は生きていて、どこかに幽閉されているのでは……？という噂が立ち始めた。
これが本当ならば、大企業の社長が娘を幽閉監禁していたということになり、大問題だ。
突拍子のない話なので本気で信じている人間は少ないが、なぜかディスポーザー・ファミリーは
この噂を大真面目に信じていろいろと動いているようだ。
ダスティ・シークレット・サービス
通称DSS。古くは時の幕府などの警備にも携わっていたらしい、灰崎一家の運営する警備会社。
大金持家は自社の警備に関して公権力の介入を嫌い、だいたいの場合この会社を利用しており、
ほぼお抱え企業のような状態になっている。
警備会社としては最も規模が大きく、いちたりない世界の治安維持にも一役買っている。
特別業務部、通称お嬢様付きと呼ばれる、警察などの外部への協力のほか、灰崎家の一人娘『灰崎煙楽（はいざき えんら)』の警護を担当する部署があるのだが、煙楽の癇癪やわがままの矛先にされるほか、時折警備員の枠をはみ出たきな臭い仕事をさせられることもしばしばあり、さらに部署内の人間関係も最悪のため、基本的にそこへ配属されたら終わりだとされている。
七星無靠
ちーしんうーしー。中国でそこそこの勢力をもつチャイナマフィア。
基本的に海外へは干渉しないことを貫いてきたが、今回若頭『日向 晨（ひなた シン)』の強い意向で、
本人含む数十人の精鋭部隊が日本を視察に遠征に来ている。
シンはどうも大金持家と灰崎家に強い恨みを抱いているようだが、何か関係があるのだろうか。
おひさま食品
10年前まで存在した食品企業。
「おひさまパン」や「サンサンソーセージ」など数々の人気食品があったが、
10年前に大規模な産地偽装や異物混入などの不祥事が相次ぎ、業績が悪化。
その責任を取らされ、当時の代表取締役や会長は辞任させられ、以降は企業名変更ののち、
大金持グループに吸収合併されたようだ。
家族経営だったらしく、当時経営に携わっていた一家の現在の所在はわかっていない。
劇場（シアター）
表社会では催眠術師およびタレントとして名を馳せる男、『プリンス』が長を務める犯罪組織。
下っ端は彼が催眠を施した自我のない兵士たちで構成されており、
一度でもシアターと関わったことのある人間は、その生気のない不気味な様子を嫌い、関りを持ちたがらない。
対して幹部クラスはプリンスの催眠が通じない体質の者たちしかいないが、
彼らもまた何かしらの弱みを握られ、恐怖で支配された従順な兵士たちである。
プリンスは自分の手駒全員を汚らしい存在として見下しており、
本当に大切な任務……自らのプリンセスの調達だけは外部の人間に任せている。